16:15 〜 16:30
[2Fp-06] S-アリルシステインが線虫の運動機能に及ぼす影響
キーワード:S-アリルシステイン、線虫
【目的】 ニンニクの熟成過程で生成されるS-アリルシステイン(SAC)は、これまでに抗老化作用や筋萎縮抑制作用を示すことが報告されているが、運動機能に対してどのような影響を及ぼすかは明らかにされていない。そこで本研究では、老化研究のモデル生物である線虫Caenorhabditis elegansを用いて、SACが線虫の運動機能に及ぼす影響を評価した。
【方法】 線虫は野生型N2およびSKN-1の変異株であるEU-1を用いた。同調培養を行ったL4線虫を、SAC非添加またはSAC添加の完全S培地で飼育し、運動機能の解析およびストレス応答関連遺伝子の発現解析を行った。
【結果】 野生型N2では、SAC暴露7日目で線虫の運動能が向上する傾向を示した。一方で、それ以上長期のSAC暴露では、運動機能に影響を及ぼさなかった。このことから、SACの運動機能向上の効果は暴露期間によって異なることが示された。次に、SAC暴露7日目の線虫のストレス応答関連遺伝子の発現解析を行った。その結果、SAC暴露によってN2のgst-4の発現誘導が確認された。そこで、gst-4の発現制御に寄与するSKN-1の変異株であるEU-1を用いて運動機能の解析を行った。その結果、SAC暴露によって向上した運動機能はEU-1では差が見られなかった。一方、SAC暴露による遺伝子発現解析では、EU-1においてもgst-4の発現誘導が認められた。このことから、gst-4の発現はSACにより誘導されるが、運動機能の向上には関与していない可能性が示された。
以上より、SACの一定期間の暴露において、線虫の運動機能が向上することが示唆された。現在、その作用機構について検討を進めている。
【方法】 線虫は野生型N2およびSKN-1の変異株であるEU-1を用いた。同調培養を行ったL4線虫を、SAC非添加またはSAC添加の完全S培地で飼育し、運動機能の解析およびストレス応答関連遺伝子の発現解析を行った。
【結果】 野生型N2では、SAC暴露7日目で線虫の運動能が向上する傾向を示した。一方で、それ以上長期のSAC暴露では、運動機能に影響を及ぼさなかった。このことから、SACの運動機能向上の効果は暴露期間によって異なることが示された。次に、SAC暴露7日目の線虫のストレス応答関連遺伝子の発現解析を行った。その結果、SAC暴露によってN2のgst-4の発現誘導が確認された。そこで、gst-4の発現制御に寄与するSKN-1の変異株であるEU-1を用いて運動機能の解析を行った。その結果、SAC暴露によって向上した運動機能はEU-1では差が見られなかった。一方、SAC暴露による遺伝子発現解析では、EU-1においてもgst-4の発現誘導が認められた。このことから、gst-4の発現はSACにより誘導されるが、運動機能の向上には関与していない可能性が示された。
以上より、SACの一定期間の暴露において、線虫の運動機能が向上することが示唆された。現在、その作用機構について検討を進めている。