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[3Aa-04] イソチオシアネートを強化した高機能浅漬けの開発
キーワード:イソチオシアネート、塩蔵野菜
【目的】アブラナ科野菜の辛味成分であるイソチオシアネート(ITCs)は,近年,機能性成分として注目されている.ITCsは,細胞が破壊されることで辛味前駆体であるグルコシノレート(GLS)とミロシナーゼが反応し,生成される.しかし,ITCsは窒素雰囲気下で製造した浅漬け製品にて散発的に増加することがあり,漬物製造での課題となっている.本研究では機能性成分であるITCsが増大する条件を明らかにし,風味や機能性を高めた浅漬けの製造技術を確立することを目的とした.
【方法】カブは収穫適期の異なるものを用いた.食塩濃度が3%になるように下漬け処理を行った.調味液はpH5.0,食塩濃度3%にし,グルタミン酸ナトリウム等を用いて調製した.調味液漬けは調味液と同重量の下漬けカブを包装袋内に入れ,5日間,10℃で行った.さらに,包装は窒素雰囲気下で行った.分析項目はITCsおよび水溶性成分,ITCsの生成に関連する酵素活性および酵素タンパク質の遺伝子発現を分析した.
【結果・考察】ダイコンを用いた先行研究と同様に,カブを下漬けすることでGLSが蓄積し,脱水処理に依存した作用機序があることが示唆された.他方,調味液漬けにおいては,包装袋内の窒素濃度を高めることでITCsの増大が確認された.加えて,酸素透過度の異なる袋を用いて浅漬けを調製した結果,ITCs増大量と酸素透過度の間に相関関係は認められなかった.このことからITCsを増大させるためには,袋内の酸素濃度が一定量必要であることが推察された.また,カブの辛味発現は総GLSと5-メチルチオペンチル GLSの存在比の上昇が関与することが確認できた.そのため,収穫時期やそれに伴う産地の変更が辛味発現に強く影響することが示唆された.
【方法】カブは収穫適期の異なるものを用いた.食塩濃度が3%になるように下漬け処理を行った.調味液はpH5.0,食塩濃度3%にし,グルタミン酸ナトリウム等を用いて調製した.調味液漬けは調味液と同重量の下漬けカブを包装袋内に入れ,5日間,10℃で行った.さらに,包装は窒素雰囲気下で行った.分析項目はITCsおよび水溶性成分,ITCsの生成に関連する酵素活性および酵素タンパク質の遺伝子発現を分析した.
【結果・考察】ダイコンを用いた先行研究と同様に,カブを下漬けすることでGLSが蓄積し,脱水処理に依存した作用機序があることが示唆された.他方,調味液漬けにおいては,包装袋内の窒素濃度を高めることでITCsの増大が確認された.加えて,酸素透過度の異なる袋を用いて浅漬けを調製した結果,ITCs増大量と酸素透過度の間に相関関係は認められなかった.このことからITCsを増大させるためには,袋内の酸素濃度が一定量必要であることが推察された.また,カブの辛味発現は総GLSと5-メチルチオペンチル GLSの存在比の上昇が関与することが確認できた.そのため,収穫時期やそれに伴う産地の変更が辛味発現に強く影響することが示唆された.