16:45 〜 17:00
[3Fp-10] リンゴ果皮抽出物がS. mutansに対する抗菌作用およびバイオフィルム形成抑制作用に及ぼす影響
キーワード:リンゴ果皮、S. mutans、バイオフィルム
【目的】う蝕は罹患率が高く、生涯にわたる重要な歯科保健の課題である。う蝕には、Streptococcus mutans (S. mutans) などのう蝕菌が関与しており、歯の表面にバイオフィルムを形成しう蝕は進行していく。一方、先行研究によりリンゴにはバイオフィルムの形成を抑制する効果があることが示唆されている。本研究では王林、紅玉、トキ、フジ、早生フジ、サンフジ、ジョナゴールドの7種類のリンゴ果皮よりメタノールを用いて成分を抽出し、S. mutansに対する抗菌作用とバイオフィルム形成抑制作用に及ぼす影響について検討した。
【方法】凍結乾燥した7種類のリンゴ果皮メタノールを加えて抽出したものを試料とした。メタノールを除去したのち、濃度10、20、40、60、80、100 mg/mLに調整した。① 抗菌作用:寒天培地にS. mutans菌液を重層し、各濃度の抽出物を塗布したペーパーディスクを置き、培養した。その後、阻止円の直径を測定した。② バイオフィルム形成抑制作用:スクロースを添加した液体培地に菌液および各抽出物を添加し24時間培養した。その後クリスタルバイオレットで染色し、吸光度からバイオフィルム形成量を算出した。
【結果・考察】S. mutants に対してすべてのリンゴ果皮抽出物において抗菌作用は認められなかった。一方、バイオフィルム形成においては、ほぼすべてのリンゴで形成抑制作用がみられた。また、王林、フジ、ジョナゴールド、トキでは濃度によるバイオフィルム形成抑制作用差は小さかったがサンフジ、早生フジ、紅玉では低濃度の10~20 mgでバイオフィルム形成を最も抑制した。よってリンゴ果皮のメタノール抽出物は、S. mutansに対して抗菌作用はないもののバイオフィルム形成抑制作用には効果があることから、バイオフィルム形成段階もしくはバイオフィルムの粘着性に影響を与えている可能性が示唆された。
【方法】凍結乾燥した7種類のリンゴ果皮メタノールを加えて抽出したものを試料とした。メタノールを除去したのち、濃度10、20、40、60、80、100 mg/mLに調整した。① 抗菌作用:寒天培地にS. mutans菌液を重層し、各濃度の抽出物を塗布したペーパーディスクを置き、培養した。その後、阻止円の直径を測定した。② バイオフィルム形成抑制作用:スクロースを添加した液体培地に菌液および各抽出物を添加し24時間培養した。その後クリスタルバイオレットで染色し、吸光度からバイオフィルム形成量を算出した。
【結果・考察】S. mutants に対してすべてのリンゴ果皮抽出物において抗菌作用は認められなかった。一方、バイオフィルム形成においては、ほぼすべてのリンゴで形成抑制作用がみられた。また、王林、フジ、ジョナゴールド、トキでは濃度によるバイオフィルム形成抑制作用差は小さかったがサンフジ、早生フジ、紅玉では低濃度の10~20 mgでバイオフィルム形成を最も抑制した。よってリンゴ果皮のメタノール抽出物は、S. mutansに対して抗菌作用はないもののバイオフィルム形成抑制作用には効果があることから、バイオフィルム形成段階もしくはバイオフィルムの粘着性に影響を与えている可能性が示唆された。