日本食品科学工学会第71回大会

講演情報

一般講演

B 食品機能 (Food Function)

[3Dp] 消化、吸収

2024年8月31日(土) 14:15 〜 16:45 D会場 (3F N324)

座長:小酒井 貴晴(山形大学)、福永 健治(関西大学)、小林 功(農業・食品産業技術総合研究機構)

16:00 〜 16:15

[3Dp-07] 凍結処理が米飯の食後血糖値の変化に与える影響

*笹原 由雅1、本田 莉絵1、石嵜 雄一1、石井 寛崇1、青木 仁史1、小川 恒夫2、川北 久美子2 (1. (株)ニチレイフーズ・研究開発、2. 南九州大・健康栄養)

キーワード:米飯、凍結処理、食後血糖値

【目的】米は澱粉を多く含み,体内における重要なエネルギー源であるが,摂取後の血糖値上昇に大きく関与している.一方,国内外で二型糖尿病や肥満の増加が懸念されており,その予防に関心が集まっている.糖尿病の予防には食後の血糖値上昇を穏やかにする食品の摂取が有効とされており,おいしく簡便な食品として提供できれば社会的貢献は大きい.そこで本研究では,簡便な米飯食品の代表例である冷凍炒飯を題材に,凍結処理が米飯の食後血糖値の変化に与える影響を調べた.
【方法】本研究はヘルシンキ宣言の精神に則り,南九州大学倫理委員会の承認を経て実施した.南九州大学の学生および教職員を対象に,白飯,手作り炒飯(未冷凍),手作り炒飯(冷凍)を摂取させ,食後血糖値,満腹感,眠気にどのような違いがみられるのかを検討した.血糖測定は自己検査用グルコース測定器を使用し,試験食摂取前,試験食摂取後15,30,45,60,90,120分の合計7回測定した.満腹感と眠気は,Visual Analogue Scale(以下,VAS)を用い,試験食摂取前,試験食摂取後30,60,120分の合計4回測定した.
【結果】血糖値の変化は,白飯は摂食後45分まで,手作り炒飯(未冷凍)と手作り炒飯(冷凍)は摂食後30分まで値が上昇し,その後時間経過とともに低下した.摂食後30分では,試験食間の比較において,手作り炒飯(冷凍)の血糖上昇は他の試験食より抑制される傾向にあった.摂取後45分では試験食間の比較において,手作り炒飯(未冷凍)と手作り炒飯(冷凍)は,白飯より有意に低値を示した(p<0.05).満腹感は,いずれも摂取後30分までVASが上昇し,その後時間経過とともに低下した.眠気は,いずれも摂取後60分までVASが上昇し,その後時間経過とともに低下した.満腹感,眠気いずれにおいても試験食間に有意差は認められなかった.