16:45 〜 17:00
[3Hp-11] 奄美の伝統的乳酸飲料ミキの菌叢と優勢乳酸菌の機能性
キーワード:乳酸菌、発酵、機能性
【目的】
奄美大島で主に製造される「ミキ」は伝統的な乳酸発酵米飲料である. 従来から高栄養食品として認識され, 豊富に含まれる乳酸菌の働きも期待されている. これまでに, ミキ中の乳酸菌としてLactococcusやLeuconostocなどが分離され, 製造所ごとに分離菌種が異なることが示唆されているが, まだ不明な点も多い. そこで本研究では, 製造所や製造季節が異なるミキの食品科学的特性の解明に加え, 分離した優勢乳酸菌の機能性を検討した.
【方法】
奄美大島の4製造元およびその他の地域の2製造元から製造日が異なる計17のミキを入手し, pH, 乳酸量, 粘度, %Brixを測定した. 各試料の一般生菌, 乳酸菌および酵母の生菌数測定を行い, 典型的なコロニーを分離した. また, 試料の一部は16S rDNA (V4)アンプリコンシーケンスによる菌叢解析に供した. さらに, 優勢乳酸菌のリステリアおよび黄色ブドウ球菌に対する抗菌性をoverlay 法によって検討した. また, 同乳酸菌が産生する菌体外多糖 (EPS)の重量を測定した.
【結果】
pHは3.5~ 4.6で, 乳酸は奄美大島産で0.16~0.85 mg/mL, その他の地域産で1.46~ 1.88 mg/mLであった. 製造元によって異なるが, 乳酸菌数は6.8~9.2 log CFU/mL程度検出された. 菌叢解析では, 奄美大島産のミキでLeuconostocが優勢菌であることが示されたが, 2製造元の製品ではGeobacillus, Anoxybacillusが優勢菌であった. 分離されたLeuconostoc lactis 10分離菌のうち, 基準株と比較し, 9分離菌がリステリアに, 5分離菌が黄色ブドウ球菌に対して有意に高い抗菌性を示した. また, 8分離菌が有意に高いEPS産生を示した. 今後は分離乳酸菌の抗菌性のメカニズムや、EPSの機能性の検討を行う予定である.
奄美大島で主に製造される「ミキ」は伝統的な乳酸発酵米飲料である. 従来から高栄養食品として認識され, 豊富に含まれる乳酸菌の働きも期待されている. これまでに, ミキ中の乳酸菌としてLactococcusやLeuconostocなどが分離され, 製造所ごとに分離菌種が異なることが示唆されているが, まだ不明な点も多い. そこで本研究では, 製造所や製造季節が異なるミキの食品科学的特性の解明に加え, 分離した優勢乳酸菌の機能性を検討した.
【方法】
奄美大島の4製造元およびその他の地域の2製造元から製造日が異なる計17のミキを入手し, pH, 乳酸量, 粘度, %Brixを測定した. 各試料の一般生菌, 乳酸菌および酵母の生菌数測定を行い, 典型的なコロニーを分離した. また, 試料の一部は16S rDNA (V4)アンプリコンシーケンスによる菌叢解析に供した. さらに, 優勢乳酸菌のリステリアおよび黄色ブドウ球菌に対する抗菌性をoverlay 法によって検討した. また, 同乳酸菌が産生する菌体外多糖 (EPS)の重量を測定した.
【結果】
pHは3.5~ 4.6で, 乳酸は奄美大島産で0.16~0.85 mg/mL, その他の地域産で1.46~ 1.88 mg/mLであった. 製造元によって異なるが, 乳酸菌数は6.8~9.2 log CFU/mL程度検出された. 菌叢解析では, 奄美大島産のミキでLeuconostocが優勢菌であることが示されたが, 2製造元の製品ではGeobacillus, Anoxybacillusが優勢菌であった. 分離されたLeuconostoc lactis 10分離菌のうち, 基準株と比較し, 9分離菌がリステリアに, 5分離菌が黄色ブドウ球菌に対して有意に高い抗菌性を示した. また, 8分離菌が有意に高いEPS産生を示した. 今後は分離乳酸菌の抗菌性のメカニズムや、EPSの機能性の検討を行う予定である.