日本食品科学工学会第71回大会

講演情報

一般講演

A 食品成分,食品分析(Food Ingredients, Food Analysis)

[2Dp] 食品分析

2024年8月30日(金) 15:00 〜 18:00 D会場 (3F N324)

座長:前田 竜郎(帝京平成大学)、飯島 陽子(工学院大学)、加藤 悦子(東洋大学)

15:30 〜 15:45

[2Dp-03] ノンターゲティングオミクスによるルヴァン種とイースト種のパンの風味の網羅的解析

*田中 理祥1,2、杉山 健二郎3、磯谷 俊太朗2、中村 星也3、佐々木 悠斗3、竹谷 光司4、飯島 陽子3、前田 竜郎2、荒木 徹也1 (1. 東京大・院・農学国際、2. 帝平大・院・健康栄養、3. 工学院大・先進工、4. つむぎ)

キーワード:ノンターゲティングオミクス、包括的二次元ガスクロマトグラフィー、ルヴァン種、イースト種、風味

【目的】
 食品中に含まれているにおい成分や呈味成分を網羅的に分析し、食品の品質や製造工程で発生する生成物などを調べる客観的な評価手法として、メタボロミクス技術が活用されている。パンは世界中で食べられている主食であり、最近は乳酸菌を主体としたルヴァン種を用いたパンの風味がおいしいと注目されている。最近では、従来手法であるイースト種製法についてにおいの包括的な分析を行い、比較した研究も報告されている。しかし、それらのパンの味も含めた風味について包括的な分析を行った研究はこれまで報告されていない。本研究の目的は、ルヴァン種製法パンとイースト種製法パンの風味を網羅的に分析し、2つの製法のパンの風味のプロファイルについて比較検討を行うことである。

【方法】
 分析試料はルヴァン種製法パンとイースト製法パンのクラムを用いた。においについては、各試料を2g用いてMPS robotic proを使用して揮発性成分を捕獲し、加熱脱着によりPegasus BT-4D GC×GC-TOFMSに濃縮・注入後2次元分離した。得られたクロマトグラムからChromaTOF Tileソフトウェアを用いてアライメント及びNISTおよびWileyによるライブラリー同定を行い、データマトリックスを作成した。呈味成分については乾燥粉末試料25mgに下処理を行い、オキシム化・TMS化し、GC/MSを用いて糖と有機酸の定量を行った。また、同様に下処理を行い誘導体化し、HPLCにより遊離アミノ酸を定量した。得られたデータについて解析はJMP pro17を用いて多変量解析を行った。

【結果】
 ノンターゲティングオミクスによる網羅的分析法と多変量解析を組み合わせた手法により、特徴ある2つの製法のパンの風味のプロファイルを明らかにした。