The 71th Annual Meeting of JSFST

Presentation information

Oral presentation

C 農畜水産物とその加工品 (Agricultural product, Livestock product, Seafood, and their processed products)

[2Gp] Food grain

Fri. Aug 30, 2024 3:00 PM - 6:00 PM Room G (3F N305)

Chair:Toshihisa Ohno, Noriaki Aoki

5:30 PM - 5:45 PM

[2Gp-10] Comparison of Physicochemical, Structural and Textural Properties of Spaghetti with Different Cross-sectional Shapes

*Aiko Sabanai1, Saori Kanai1, Takashi Nakamura1 (1. Department of Agricultural Chemistry, Faculty of Agriculture, Meiji University)

Keywords:spaghetti, pasta, food texture

【目的】家庭用パスタの市場は,保存性や簡便性などの理由で拡大している.特に簡便性は,多忙な生活を送る人が増加している今日において注目されている.簡便性を実現したものとして,早ゆでスパゲッティがある.これは麺線方向に溝を付け,スパゲッティの断面形状を円型とは異なる形状にすることでゆで時間を短縮している.それによりゆでる際のCO2排出量を削減可能であり,SDGs達成への貢献が期待される.しかし,スパゲッティの断面形状の違いが「食感」に与える影響の詳細は明らかとなっていない.そこで本研究は,市販品早ゆでスパゲッティについて官能評価により食感の差を視覚化した.この結果を,物性・構造との相関を解析し,スパゲッティの断面形状の違いにより食感に差が生じる要因を考察した.
【方法】断面形状が異なる市販スパゲッティ3種(通常の円形状1種(A)と2種の早ゆで形状(B)(C))を研究検体とした.官能評価では咀嚼過程に分けたCATA法を実施した.物性測定ではクリープメーターによる破断強度試験と同時に亀裂の観察を行った.構造観察では実体顕微鏡とSEMを用いて観察した.成分分析ではタンパク質組成や重合度をSDS-PAGEで,デンプンの糊化特性をRVAで測定した.
【結果】官能評価の結果,(A)(B)(C)の食感の差を確認し,食感の特徴を捉えることができた.物性測定の結果,(B)の立ち上がり荷重や破断荷重が大きく,官能評価の「かたい」と相関が見られた.さらに破断エネルギーが大きく,官能評価の「噛み応えがある」と相関が見られた.構造観察の結果,(B)(C)の早ゆでサンプルは茹でた後に(A)と異なる様子が観察され,官能評価の「なめらかさ」と負の相関が見られた.さらに,他の結果も合わせて早ゆでスパゲティの物性・構造・成分の相関関係を解析し,スパゲッティの断面形状の違いにより食感に差が生じる要因を考察する.