15:45 〜 16:00
[2Jp-04] ダイズ分離タンパク粉末を用いて非水条件下で製造したフイルムの材料物性およびそのフイルムから製造された食用軟カプセルの溶出性
キーワード:レジスタントプロテイン(大豆)、ソフトカプセル、フイルム機械特性、消化酵素耐性、溶出性
【目的】 ヒト大腸内環境の改善ならびに非感染性疾患(NCDs)予防が世界的に注目されている.ダイズタンパク由来の難消化性画分(レジスタントプロテイン)はこれらの予防効果を備えると期待されている.そこで,ダイズレジスタントプロテインを皮膜とする軟カプセルの製造を志向して,その製造方法を検討した上で軟カプセルの基礎的な物性を評価する.
【方法】 ダイズ分離タンパク粉末を用いて厚さ1mm未満のフイルムを作製するため,添加剤の種類,加工方法および条件を検討した.得られたダイズレジスタントプロテインフイルムの熱力学的特性,引張強度および消化酵素耐性を評価した.ダイズレジスタントプロテインフイルムを用いて食用軟カプセルを製造する方法を検討し,得られたカプセルの溶出性および内容物の保護性能を,消化酵素を含有する人工胃液内または人工腸液内で評価した.
【結果】 代替肉とは異なり水添加不要の製造方法を志向した.ポリオールとダイズ分離タンパクを1:1で混合したものをエクストルーダーまたは熱プレス機によって加熱加圧したところ,淡黄色で部分的に透明な熱可塑性フイルムが得られた.このフイルム化はコムギタンパクや他のマメ科タンパクでも認められた.当該フイルムは3.28±0.34 N/mm2の引張強度を示した。熱力学特性を評価した結果、フイルム化の前後で熱変性温度や動的粘弾性に有意な差を認めなかった.フイルムにおけるペプチド断片の分子量分布に有意な差は認められず,フイルム化は分子間架橋とは異なる様式によるものと推察された.このフイルムを用いて作製された直径9mmの軟カプセルは水,pH1.2およびpH6.8リン酸緩衝液で崩壊しなかったが,消化酵素を含むpH1.2試験液または摂食時人工腸液ではカプセル内への滲入が認められた.カプセル接合部の強度向上に課題を設定し,引き続きカプセル製造方法を検討する.
【方法】 ダイズ分離タンパク粉末を用いて厚さ1mm未満のフイルムを作製するため,添加剤の種類,加工方法および条件を検討した.得られたダイズレジスタントプロテインフイルムの熱力学的特性,引張強度および消化酵素耐性を評価した.ダイズレジスタントプロテインフイルムを用いて食用軟カプセルを製造する方法を検討し,得られたカプセルの溶出性および内容物の保護性能を,消化酵素を含有する人工胃液内または人工腸液内で評価した.
【結果】 代替肉とは異なり水添加不要の製造方法を志向した.ポリオールとダイズ分離タンパクを1:1で混合したものをエクストルーダーまたは熱プレス機によって加熱加圧したところ,淡黄色で部分的に透明な熱可塑性フイルムが得られた.このフイルム化はコムギタンパクや他のマメ科タンパクでも認められた.当該フイルムは3.28±0.34 N/mm2の引張強度を示した。熱力学特性を評価した結果、フイルム化の前後で熱変性温度や動的粘弾性に有意な差を認めなかった.フイルムにおけるペプチド断片の分子量分布に有意な差は認められず,フイルム化は分子間架橋とは異なる様式によるものと推察された.このフイルムを用いて作製された直径9mmの軟カプセルは水,pH1.2およびpH6.8リン酸緩衝液で崩壊しなかったが,消化酵素を含むpH1.2試験液または摂食時人工腸液ではカプセル内への滲入が認められた.カプセル接合部の強度向上に課題を設定し,引き続きカプセル製造方法を検討する.