11:00 〜 11:15
[3Ca-08] レモンに含まれる苦味成分リモニンのGC/MSによる分析検討
キーワード:リモニン、苦味、レモン、GC/MS
【目的】広島県では,地域特産物レモンを果皮ごと美味しく食べられる加工製品の開発を支援している.原料レモンの品質は個体ごとにバラツキがあり,収穫時期や貯蔵条件によっても加工製品の苦味が大きく変化する.本研究では,製品品質の安定を目的として,事前に少量の原料から苦味の原因物質リモニンを分析できる方法を検討した.
【方法】サンプルには4種類の苦味の異なるレモン果皮の凍結乾燥粉末を用いた(①早熟生,②早熟加熱,③完熟生,④完熟加熱).加熱は100℃,10分間スチーム処理した. 1.5 mLのマイクロチューブに凍結乾燥サンプル30 mg秤量し,水溶性画分と脂溶性画分に分けてGC/MS導入用試料を調製した.水溶性画分は,オキシム化及びトリメチルシリル化により誘導体化した.脂溶性画分は,クロロホルム層を回収して乾燥後,アセトンに溶解した.内部標準物質にはミリスチン酸d-27を用いた.調製試料はGC/MS(8890/5977:Agilent,Column:DB-5msDG 30m+DG10 m*0.25mmI.D.)で分離し,Agilent Fiehn GC/MS メタボロミクス RTL ライブラリを用いて分析した.
【結果】脂溶性画分のリモニンピークは,非加熱サンプル①及び③では検出されなかった.ピーク面積比(リモニン/内標)は,加熱サンプル②が5.73,④が2.08で,早熟は完熟の2倍以上の値であった.水溶性画分のリモニンピーク面積比(リモニン/内標)は,①が0.73,②が0.24,③が0.28であった.④はピーク非検出だった。ヒトが感じる苦味強度は,脂溶性画分の結果と相関が高かった.脂溶性画分のリモニンは苦味を感じる原因物質であり,水溶性画分のリモニンは苦味を感じない前駆体のリモノエートA環ラクトンの可能性も考えられた.本結果から,GC/MSを用いて少量サンプルからリモニンが分析できる可能性が示唆された.
【方法】サンプルには4種類の苦味の異なるレモン果皮の凍結乾燥粉末を用いた(①早熟生,②早熟加熱,③完熟生,④完熟加熱).加熱は100℃,10分間スチーム処理した. 1.5 mLのマイクロチューブに凍結乾燥サンプル30 mg秤量し,水溶性画分と脂溶性画分に分けてGC/MS導入用試料を調製した.水溶性画分は,オキシム化及びトリメチルシリル化により誘導体化した.脂溶性画分は,クロロホルム層を回収して乾燥後,アセトンに溶解した.内部標準物質にはミリスチン酸d-27を用いた.調製試料はGC/MS(8890/5977:Agilent,Column:DB-5msDG 30m+DG10 m*0.25mmI.D.)で分離し,Agilent Fiehn GC/MS メタボロミクス RTL ライブラリを用いて分析した.
【結果】脂溶性画分のリモニンピークは,非加熱サンプル①及び③では検出されなかった.ピーク面積比(リモニン/内標)は,加熱サンプル②が5.73,④が2.08で,早熟は完熟の2倍以上の値であった.水溶性画分のリモニンピーク面積比(リモニン/内標)は,①が0.73,②が0.24,③が0.28であった.④はピーク非検出だった。ヒトが感じる苦味強度は,脂溶性画分の結果と相関が高かった.脂溶性画分のリモニンは苦味を感じる原因物質であり,水溶性画分のリモニンは苦味を感じない前駆体のリモノエートA環ラクトンの可能性も考えられた.本結果から,GC/MSを用いて少量サンプルからリモニンが分析できる可能性が示唆された.