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[3Cp-04] 超臨界CO2抽出により得られるコーン胚芽の脂質関連分子の網羅的解析
キーワード:コーン胚芽脂質、超臨界CO2抽出、グルコシドセラミド、2次元HPLC
【目的】本研究では,コーン胚芽に含まれる脂質成分の網羅的解析を目的とした.今回は特にグルコシルセラミド(GlcCer)について報告を行う.GlcCer は,Ceramide(Sphingoid base(SB)に2-hydroxy fatty acid(FA)が結合)にGlucoseが結合した脂質で,保湿効果や抗アトピー効果,抗腫瘍効果が報告されている.
【方法】共溶媒(Ethanol)の濃度を変えた超臨界CO2抽出法を用いて,2サンプルを得た.抽出条件は17.3 MPa,50℃とした.サンプルの脂質分子種分析は,2次元HPLC-MS-CAD(荷電化粒子検出器:Charged Aerosol Detector)により行った1).
【結果】超臨界CO2抽出においてCO2のみを送液したFraction 1からは,TAGなど低極性脂質のみが検出され,CO2と共溶媒Ethanolを送液したFraction 2からは,GlcCerやPhosphatidylcholine(PC)など中~高極性脂質が検出された.特にグルコシルセラミドの濃度は,4.9%であり,これはもともと含まれているグルコシルセラミド濃度の200倍以上である.Fraction 2のGlcCer分子種を分析した結果,少なくとも17の分子種が同定・定量された.いずれの分子種においても,結合しているFAは99%以上が飽和FAであり,SBはd18:2が最も多く含まれた.最も多い分子種はd18:2 (t4,t8) - C16:0h(27.4%)であった.ニンニク,コメでも同様の実験を行い分子種を比較したところ,それぞれの植物により構成成分が異なることがわかった.またアシル化ステロールグルコシドやステロールグルコシドも同定された.
文献 1)Takahashi, et al., Journal of Chromatography B, 1077, 35-43 (2018).
【方法】共溶媒(Ethanol)の濃度を変えた超臨界CO2抽出法を用いて,2サンプルを得た.抽出条件は17.3 MPa,50℃とした.サンプルの脂質分子種分析は,2次元HPLC-MS-CAD(荷電化粒子検出器:Charged Aerosol Detector)により行った1).
【結果】超臨界CO2抽出においてCO2のみを送液したFraction 1からは,TAGなど低極性脂質のみが検出され,CO2と共溶媒Ethanolを送液したFraction 2からは,GlcCerやPhosphatidylcholine(PC)など中~高極性脂質が検出された.特にグルコシルセラミドの濃度は,4.9%であり,これはもともと含まれているグルコシルセラミド濃度の200倍以上である.Fraction 2のGlcCer分子種を分析した結果,少なくとも17の分子種が同定・定量された.いずれの分子種においても,結合しているFAは99%以上が飽和FAであり,SBはd18:2が最も多く含まれた.最も多い分子種はd18:2 (t4,t8) - C16:0h(27.4%)であった.ニンニク,コメでも同様の実験を行い分子種を比較したところ,それぞれの植物により構成成分が異なることがわかった.またアシル化ステロールグルコシドやステロールグルコシドも同定された.
文献 1)Takahashi, et al., Journal of Chromatography B, 1077, 35-43 (2018).