日本食品科学工学会第71回大会

講演情報

若手の会 ポスター発表

若手の会ポスター発表

[PA] 「若手の会」および「インターナショナルポスター賞」

2024年8月29日(木) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (タワー75 2F 学生ホール)

[PA-83] 麺用小麦ふすまの機能性成分の探索

*岩本 萌々乃1、風見 真千子1、谷口(山田) 亜樹子1、野口 治子1 (1. 東京農大・院・農)

【目的】近年日本では,輸入小麦の価格が上昇していることにより,輸入から国産への切り替えが進んでいる.小麦の品種改良では製パン性などの良質な小麦粉加工品に焦点が置かれており,小麦ふすまに着目した研究例は少なく,また麺用小麦ふすまは,パン用小麦ふすまに比べ活用例が少ない.しかし,昨年度の研究により麺用小麦であるきたほなみの小麦ふすまの機能性が高いことが確認された.そこで本研究では,麺用小麦ふすまに着目して機能性成分の探索を行うこと,北海道から九州にて作出された麺用小麦品種とパン用品種であるゆめちからを含めた6品種で特性比較を行い,機能性の高い小麦品種を探索することを目的とした.
【方法】小麦には,麺用小麦であるきたほなみ,シロガネコムギ,チクゴイズミ,さとのそら,きぬあかりと,対象区としてパン用小麦であるゆめちからを用いた.小麦ふすま試料は小麦をテストミル(MLU-202,ビューラー社)にてAACC法により調製した大ふすまを用いた.ポリフェノール抽出は,小麦ふすま試料1gに80%メタノールを30mL添加し,撹拌抽出した後,エバポレーターで濃縮したものを抽出液とした.フィチン酸抽出は,2.4%塩酸を添加後,撹拌,ろ過したものを抽出液とした.総ポリフェノール量はフォーリン・チオカルト法,抗酸化活性はDPPHラジカル消去法,フィチン酸含量はWade法にて測定した.ポリフェノールの分画は薄層クロマトグラフィーにて行い,UV(254nm)およびNP/PEG試薬にて検出した.
【結果】麺用小麦ふすまのポリフェノール含量はシロガネコムギが最も多く,さとのそらが最も少ない結果となった.きぬあかりのポリフェノール含量は,ゆめちからと同等量であった.フィチン酸含量は,きたほなみが最も多く,きぬあかりが最も少ない結果となった.現在ポリフェノール含量や組成と抗酸化活性の関係について検討をしている.