17:00 〜 17:15
[2Mp-08] 誘電特性を利用した含水チョコレートの構造解析
キーワード:チョコレート、誘電特性
【目的】
通常のチョコレートは水分量3%(w/w)以下であり,生チョコレートは水分量が10%(w/w)以上である.演者らは,冷却・混錬製法により,常温での保存性を有する水分量3~20%(w/w)の含水チョコレート様菓子(以下,含水チョコレートと表記)を開発した(特許第7404270号).本研究では,この含水チョコレートの特徴を誘電特性や硬さなどの観点で,チョコレートや生チョコレートと比較し,その構造を考察した.
【方法】
試料には市販のミルクチョコレート(水分量1%(w/w))と生チョコレート(15%(w/w)),および特許製法で作製した含水チョコレート(8%(w/w))を使用した.それぞれを4,20,28℃で一定時間保持し,誘電特性および硬さを測定した.誘電特性測定にはステンレス製平板電極とLCRメータ(日置電機㈱製)を使用し,周波数4Hz~0.1MHzの範囲で測定した.硬さ測定には単軸圧縮・引張型レオメータ(㈱レオテック製)を使用し,直径10mmの円柱型プランジャーを速度0.167mm/sで1mm浸入させた.
【結果】
各温度で測定したチョコレートのZ(インピーダンス)とθ(位相角)から,複素インピーダンスの実部と虚部を算出し,Cole-Coleプロットした.その結果,ミルクチョコレートと生チョコレートが直線性を示したのに対し,含水チョコレートはいずれの温度でも円弧を描いた.また,加工前の含水チョコレート生地を冷却し硬化させたものは,直線性を示した.通常は水分量が3~20%(w/w)の範囲にあると乳化安定性が低いために,増粘や分離が発生するが,本製法で製造した場合には、連続相を形成している油-水界面の存在が考えられる.また,硬さは生チョコレート,含水チョコレート,ミルクチョコレートの順に大きかった.以上より,含水チョコレートでは,油と水が各々連続相を形成していることが示唆された.
通常のチョコレートは水分量3%(w/w)以下であり,生チョコレートは水分量が10%(w/w)以上である.演者らは,冷却・混錬製法により,常温での保存性を有する水分量3~20%(w/w)の含水チョコレート様菓子(以下,含水チョコレートと表記)を開発した(特許第7404270号).本研究では,この含水チョコレートの特徴を誘電特性や硬さなどの観点で,チョコレートや生チョコレートと比較し,その構造を考察した.
【方法】
試料には市販のミルクチョコレート(水分量1%(w/w))と生チョコレート(15%(w/w)),および特許製法で作製した含水チョコレート(8%(w/w))を使用した.それぞれを4,20,28℃で一定時間保持し,誘電特性および硬さを測定した.誘電特性測定にはステンレス製平板電極とLCRメータ(日置電機㈱製)を使用し,周波数4Hz~0.1MHzの範囲で測定した.硬さ測定には単軸圧縮・引張型レオメータ(㈱レオテック製)を使用し,直径10mmの円柱型プランジャーを速度0.167mm/sで1mm浸入させた.
【結果】
各温度で測定したチョコレートのZ(インピーダンス)とθ(位相角)から,複素インピーダンスの実部と虚部を算出し,Cole-Coleプロットした.その結果,ミルクチョコレートと生チョコレートが直線性を示したのに対し,含水チョコレートはいずれの温度でも円弧を描いた.また,加工前の含水チョコレート生地を冷却し硬化させたものは,直線性を示した.通常は水分量が3~20%(w/w)の範囲にあると乳化安定性が低いために,増粘や分離が発生するが,本製法で製造した場合には、連続相を形成している油-水界面の存在が考えられる.また,硬さは生チョコレート,含水チョコレート,ミルクチョコレートの順に大きかった.以上より,含水チョコレートでは,油と水が各々連続相を形成していることが示唆された.