日本食品科学工学会第71回大会

講演情報

一般講演

D 食品工学、加工、保蔵、バイオテクノロジー (Food Engineering, Process, Storage, and Biotechnology)

[3Hp] 発酵、酵素利用

2024年8月31日(土) 14:15 〜 17:00 H会場 (3F N303)

座長:西野 智彦(東京工科大学)、長野 隆男(石川県立大学)、富永 達矢(日本女子大学)

15:00 〜 15:15

[3Hp-04] 組換え酵母により大量発現させた小麦LOXⅢによる小麦粉ドウグルテニンサブユニットの構成変化に与える影響

*高 悦1、宮城 怜奈1、高橋 俊介1、刀祢 重信1、椎葉 究1 (1. 東京電機大)

キーワード:リポキシゲナーゼ、グルテニンサブユニット、可溶性、不溶性

【目的】
組換え酵母により大量発現させた小麦LOXⅢアイソザイムを小麦粉に反応させたときの可溶性および不溶性グルテニンの高分子量と低分子量サブユニットの構成変化の機構解析と、LOX感受性ポリペプチドの特定と構造解析
【方法】
組換え酵母により大量発現させた小麦LOXⅢアイソザイム(rLOXⅢ)を精製した。精製rLOXⅢを小麦粉と反応させたときの可溶性および不溶性グルテニンを調製、高分子量と低分子量サブユニットを構成するポリペプチドを二次元電機泳動およびRP-HPLCにより分画した。同様にrLOX無添加区(コントロール区)と比較し、LOX感受性ポリペプチドを特定した。
【結果】
小麦LOXアイソザイムⅢを酵母により大量発現させた。
小麦粉にLOXアイソザイムⅢを小麦粉に反応させたとき、コントロール区と比較して不溶性グルテニンタンパク質の減少、可溶性グルテニンタンパク質の増加が認められた。このとき、不溶性グルテニンを構成する高分子量サブユニットタンパク質の増加と低分子量サブユニットタンパク質の減少、可溶性グルテニンでは逆の高分子量サブユニットタンパク質の減少と低分子量サブユニットタンパク質の増加が認められた。不溶性グルテニンの高分子サブユニット区分は、90 kDa 付近のポリペプチドであることが示唆された。RP-HPLCによる分析では、特にLOXⅢと反応させたとき、不溶性グルテニン中の高分子サブユニットを構成するポリペプチド中、疎水性の強い特定のポリペプチドに違いが認められた。また、低分子サブユニットを構成する疎水性の高いポリペプチドの減少が認められた。